シャドーイングの練習をすれば、どんな英語でも聞き取れる!

英語の学習をする際、なんだかよく分からないけど、「シャドーイングはおすすめだよ!」なんて言われたこと、ありませんか? それってどんな練習? どんな力が付くの? どうやってやったらいいの? そんな質問に、『ENGLISH JOURNAL』を使ってお答えします!

 

CD付 ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2018年9月号
 

シャドーイングって何?

シャドーイング(shadowing)は、 英語を聞き、その聞こえてきた内容を少し遅れて同じように繰り返すトレーニング のことを指します。影(shadow)のように元の英文についていくことから、このように呼ばれています。

同時通訳者のためのトレーニングとしても紹介されている、とても有名な方法ですが、一体何がそんなにいいのでしょうか?

答えは簡単、 「聞く」と「話す」の2つの力を、 同時に 鍛えることができる から、おすすめなんです!

「聞く」を鍛える

最初に、シャドーイングは「聞こえた英語を少し遅れて声に出し、再現すること」だと説明しました。 正しく再現するためには、「正しく聞き取る」ことが大切 です。最終的に何も見ずに再現できることが理想ですが、最初は文字で書かれたスクリプトを見ながらでも構いません。何度も聞いて、まずは聞く力を鍛えましょう。

「話す」を鍛える

次に、追いかけるようにして声に出しますが、このときに大切なのが、 「なるべく忠実に再現しようとすること」 です。発音やリズム、強弱などをしっかりまねしてみましょう。こうすることにより、口が英語を声に出すことに慣れてきます。

シャドーイングのやり方を知ろう!

シャドーイングをするためには、音声付きの英文素材が必要です。何でも、自分の好きなもので取り組んで大丈夫ですが、最初は話すスピードがあまり速くないものや、シャドーイング用に分量を調整してあるものを選びましょう。

そこでおすすめなのが『ENGLISH JOURNAL』(EJ)です。EJの「学習コーナー」では毎月、有名人のインタビューや世界のニュース、エッセイ朗読など、さまざまな話し手の英語が音声とスクリプト付きで収録されています。

また、シャドーイング学習用の音声トラックも準備されていますから、学習を進めるのにうってつけです。

手順 を確認しよう"> 手順 を確認しよう

シャドーイングを進めるための3ステップを確認しましょう。

  1. 全体を通して聞き、英文スクリプトを見て 意味を 把握 。慣れるために、まずは英文を音読してもOK。難しい場合は、まず音を聞きながら英文を目で追えるか確かめましょう。
  2. 最初は英文を見ながらで構わないので、 聞こえてくる音声から1、2語遅れて、まねて声に出していく 。発音やリズム・イントネーションを、できるだけ正確に再現します。
  3. 慣れてきたら、 英文を見ずに行う 。難しいと感じたら無理をせず、再度、英文を見ながら練習してもOK。
難しいと感じたら、自分がやれる範囲のステップで、何度も取り組んでみてくださいね。また、少し易しい教材に切り替えてみるのもよいでしょう。

シャドーイングをやってみよう!

人の話し方の癖を知ろう

EJ2018年9月号のインタビューには、イギリスの伝説的ロックバンド、オアシスの元メンバー、ノエル・ギャラガーが登場します。

オアシス解散後、ソロプロジェクトであるノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライングバーズで精力的な活動を行っているノエルですが、今年8月には日本で開催されるサマーソニックにヘッドライナーとして登場します。

昨年発売したアルバム『フー・ビルト・ザ・ムーン?』についての話や、彼なりの「ロック論」を 展開 しています。

People have this perception of rock ’n’ roll being those guys in the black leather jackets and the shouting and all that. To me, that’s not rock ’n’ roll. Rock ’n’ roll means freedom. It’s freedom of thought, freedom of expression .

みんな、黒い革ジャンを着た男たちとかシャウトすることとか、そんなようなロックンロールのイメージを持ってるんだ。俺にとって、そんなのはロックンロールじゃない。ロックンロールっていうのは「自由」のことだ。思想の自由、表現の自由だ。

今回はここを使ってシャドーイングに取り組んでみましょう。

音を聞いて気付いた方もいるかもしれませんが、ノエル・ギャラガーは少し癖のあるし方をしています。

EJで毎月、シャドーイングのポイントを解説している神田外語大学講師の柴原智幸先生は、これについて次のように 指摘 しています。

ポイント

「徹底的に反復練習をする必要は、個人的にはないと思います。ノエル・ギャラガーはネイティブ・スピーカーではあるものの、shouting のt の音やfreedom のd の音が落ちるなど、日本人が目標とすべき「国際共通語としての英語」とは、ちょっとズレがあるなと感じるからです。ただ、聞いてわかるようにしておく必要はあり、そのために、口が回る程度にはシャドーイングしておくとよいでしょう。
つまり、「まねをする」ことの意味は必ずしも自分が同じ発音をするためだけではなく、今回のような場合には「こういう話し方をする人がいる」ことを認識するのが大切だということです。聞いたときに内容が理解できるようになることを目的として、取り組んでみてください。」

展開 や説得力の出し方をまねしよう">論理 展開 や説得力の出し方をまねしよう

EJ9月号では、スピーチで扱っている英語も少し癖のあるものです。

グラミン銀行の創設者、ムハマド・ユヌス氏が「貧困との向き合い方」「これからの人生への準備」について話しています。

So , we can give our children advice ? what to become in their life: either to become an entrepreneur in their life or to become a job seeker to work for somebody else. We should teach our young people in schools, in our entire education system, you are a natural entrepreneur. We’ll train you, help you, design you, so that you can express yourself.

さて、私たちは、子どもたちが人生で何になるのかについて、助言をすることができます。人生において、起業家になるのか、それとも誰かの下で働く求職者になるのか。私たちは若者たちに、学校で、全教育制度を通して、あなたは生まれながらの起業家だ、と教えるべきです。私たちは、あなたが自己表現できるように、あなたを養成し、助け、デザインするのです。

ユヌス博士はバングラデシュ出身であり、英語にも母語の 影響 が表れています。

こういった場合、その訛りをコピーするのではなく、別のポイントを重視してシャドーイングに 取り組み ましょう。柴原先生は以下のようにコメントしています。

ポイント

若干訛りがありますので、徹底的にシャドーイングして完全コピーを目指す必要はありません。大事なのはその論理 展開 と説得力、「聞き手に伝えよう」という意志です。このような英語に触れて、必要なエッセンスを吸収していくことが、とても大切だと思います。
「人の心に訴えかける響き」はどんなところから感じられるのかなどを考えながら、強く声に出しているところや発話のペースなどを確認していきましょう。

特集は「トレンド入りする言葉たち」!

アルクの英辞郎 on the WEBで2018年上半期によく調べられた語句を徹底 分析 。どんな時期に、どんな理由で検索されたのかと、その語句にまつわるニュースを紹介します。

pursuit、shape、 mean のように、「基本単語と思いきや、意外な経緯で話題になった語」から、booや confidence 、shapeといった「エンタメ界で大きく注目を集めた語」、そして2018年の国際関係を語るのに欠かせない言葉まで、幅広くご紹介しています。

上半期の重大な出来事を振り返り、インターネット上などで「バズった(=話題になった)」話題をチェックしてみてくださいね。

EJ2018年9月号、8月6日発売!

このほかにも、平和や平等、自由をテーマにした特別企画など、盛りだくさん
でお届けします!

CD付 ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2018年9月号
 

構成・文:江頭 茉里
ENGLISH JOURNAL編集部員。夢は自分が編集した本ばっかりの本棚を作ること。 熱しやすく、冷めにくい。好きなもの・趣味が多すぎるのが悩み。

『ENGLISH JOURNAL BOOK 2』発売。テーマは「テクノロジー」

現在、ChatGPTをはじめとする生成AIが驚異的な成長を見せていますが、EJは、PCの黎明れいめい期からITの隆盛期まで、その進化を伝えてきました。EJに掲載されたパイオニアたちの言葉を通して、テクノロジーの歴史と現在、そして、未来に目を向けましょう。

日本人インタビューにはメディアアーティストの落合陽一さんが登場し、デジタルの時代に生きる英語学習者にメッセージを届けます。伝説の作家カート・ヴォネガットのスピーチ(柴田元幸訳)、ノーベル生理学・医学賞受賞のカタリン・カリコ、そして、『GRIT グリット やり抜く力』のアンジェラ・ダックワースとインタビューも充実。どうぞお聴き逃しなく!

【特集】PC、IT、そして、ChatGPT・・・パイオニアたちの英語で見聞する、テクノロジーの現在・過去・未来
【国境なきニッポン人】落合陽一(メディアアーティスト)
【スピーチ&インタビュー】カート・ヴォネガット(作家/柴田元幸訳)、ケヴィン・ケリー(『WIRED』創刊編集長、未来学者)、レイ・カーツワイル(発明家、思想家、未来学者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディア創設者)、アンジェラ・ダックワース(心理学者、大学教授)、【エッセイ】佐藤良明

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